ひびのことのは。

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センセイな日々。
2007年 08月 11日 |
故あって今、週に数度の割で中高生に英語を教えている。

教授の場所は、とある塾。マンツーマン指導がウリの、受ける側にも教える側にもいささか厳しい所で、授業をするにあたってのシチメンドクサイ決まり事が幾つかあるのだが、その中の一つに『確認テスト』というモノがある。
所要時間は僅か数分ほどのこのテスト、前回の授業の内容がしっかりと定着しているかどうかを量るために、教師側が前以て用意するモノなのだが・・・つい先日、このテストを中3の内部進学生、Sくんにやらせている最中にふと、妙なコトに気づいてしまった。

Sくんは頭は悪くないが、決して出来すぎる子ではない。寧ろ、学んだ事柄が定着するのにかなりの時間を(ソレ即ち教える側には相応の忍耐を)要する方なのだが、提出された宿題用ノート(問題集数ページ分、答え合わせまで自分でやるというもの)をチェックしていると・・・驚いたことに、間違っている箇所がひとつもナイのだ。

無論、慌ててケアレスミスをすることの無いようにシッカリじっくり取り組んだ結果、全てにおいて正解してくれたのなら、これ程喜ばしいことはないし、教師冥利にも尽きるというものである。
が。そんな風に考えながらも、矢張りどこか訝しく思ってしまうのは・・・偶然にも今の今、やっている確認テストと全く同じ問題が、宿題の方では一言一句違わず完璧に出来ているのに、目の前の彼の答案には、分かっているとは到底思えないような解答が書かれているからに他ならない。

・・・・・・はー。困ったね。と、思いはしたものの。
気づいてしまったからにはスルーせぬのが人の道(?)、然らばここはヒトコト言わねばなるまい、とコチラも覚悟を決め。テストの答え合わせ中にさり気なく、こう切り出してみた。

「この問題、宿題の方では完璧に出来てたよね。
他の問題も全部完璧に合ってたけど・・・もしかして、問題やるときに隣に解答置いて、見ながらやってたの?」

自分のこの言葉が終わるか終わらぬかのうちにSくん、ハッキリ「いいえっ!」と反応したのだが・・・その慌てぶりと、こちらの目を見ようとしない不自然な態度からして、内に何やら後ろめたい思いがあるのだろう事は、ハタから見れば恐らく誰の目にも明らかだったと思う。

彼は中高一貫の私立校で受験は無いし、この夏休みに塾へ来ているのも完全に親の意向で、本人に何か切羽詰った理由があるからではない。
そんな状態で、いくら塾のモットーだとは言えムリヤリ大量の宿題をやらせても、果たして意味があるのかどうか・・・嫌々ながらの学習がまるで効果を上げない事、楽しさのカケラもないという事は、我が身にもイヤという程覚えがあるので、ズルをした彼に対しても怒りや呆れといった感情はさらさら湧いてこなかった。

そこで、続けてこんな風に言うことにした。
「・・・あのね。結果的にアタマに入るのなら、どういうやり方でもいいの。
答え見ながら問題解いていくのでも、ぜーんぜん構わないのよ。ホント。
でもねぇ・・・実はセンセイとしては、宿題では間違っていてくれた方が
有り難いんだな(俯いていたSくん、ここでびっくりしたように顔を上げ)。

キミがどこが分からないのかを見て、その分からないトコロをしっかり教えて
分かってもらうのがお仕事だもん。
宿題もテストも、そういう意味のモノだから。だから、間違ってていいの。

それと、何か分からないトコロがあったら、スグに質問して?
そのために、キミも先生もここにいるんだよ。

・・・いいかな?」

Sくんはハイ、と神妙に返事を寄越してきたものの・・・その後の授業中の態度に特に変化は無く(集中力が続かないタイプなのだ)、また次回、どんな宿題のやり方をしてくるかは分からない。これまで同様、解答を片っ端から丸写ししてくるのかも知れないが、正直、それはそれで構わないとも思っている(講師としては失格か・笑)。

ただ。人間誰しも、生きていく上では解答の無い問題にぶち当たる時が、いずれ必ずやって来るものだから。
その時にはどうか、彼も逃げることなく立ち向かって行けますように・・・と、今生縁あって僅かながらも関わり合うこととなった自分、心密かに祈っているのである。

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疲れたアタマには、あま~いお菓子がよく効きますよね♪

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by misa_diary | 2007-08-11 18:03 | diary |
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